自民党執行部の衆院公認候補の選びに思う2005年08月16日 22時59分30秒

自民党執行部が、郵政民営化反対派に対抗するためなどに、衆議院選挙で次々公認候補を決めています。

それが、日々のニュースになること自体が、自民党の大宣伝になっているわけですが、ライブドアの掘江社長を一生懸命持ち上げて猫なで声で手招きする図はぞっとしません。IT産業の利権化とも関係するのかもしれませんが、女性や若手エリートを重視することも含めて、徹底したイメージ戦を闘おうという、小泉執行部の姿勢は一貫しています。

思えば、昔、宮田輝や石原慎太郎をかつぎだした時も、失笑を買ったけれど、その頃は、衆議院選挙にこうやって堂々と「タレント」的候補を集めるようになるとは、夢にも思いませんでした。(純粋の「タレント」でなくても、結局「タレント」的効果を狙っているのだから本質は同じです)

でも、政策を丸投げして、官僚機構にのっかって、ポピュリズム政治を進める小泉氏には、非常に似つかわしいやり方なのですね。まあ、業界と地元ボスの利権調整を仕事と考えていた議員と比べれば、まだましだともいえるのかもしれません。

言うまでもないことなのですが、小泉氏たちには政治家としての矜持とか、「恥」というものが、まったくないのですね。 吉田茂や鳩山一郎が、この保守政党の状況を見たら、何というでしょうか。

政治が限りなく軽くなり、理性が軽んじられていった道程の一里塚として、小泉政治は歴史に長く残ることは確実です。この候補者選定劇は、改めてそれを印象づけてくれました。
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