小泉首相の靖国神社訪問2005年10月17日 20時38分30秒

事前の噂通り(観測気球をあげていたのでしょうが)、小泉首相は靖国神社を訪問したということです。

それに対して、中国・韓国政府が抗議をし、一部の「反日ナショナリスト」が街頭で気勢を上げ、日本ではプチ・ナショナリズムに感染した若者の軽薄な「戦死者を悼むのに口出しするなんてうざい」という小泉の口まねをメディアがまきちらし・・・・、と何か予想通りの見慣れた風景がくり返されているに過ぎない、と感じてしまうことこそが恐ろしいことです。

総理大臣という公職にあるといえども、一人の人間として、彼が公務を離れて、どのようなおタッキーな趣味を愛好しようとも、どのような女性とつきあい、どのような嗜好に耽溺しようとも、基本的には彼のプライベートな生活であります。そのようなレベルでどのような信仰をもち、どのような神社仏閣霊廟墓地を参拝しようとも自由だということは、私も同意します。

しかし、小泉氏が自民党総裁選で公的に約束し、すべてでないにしても裁判所で「違憲」判決が出され、しかも、国家意思に基づく侵略戦争遂行の責任があると「認定」されているA級戦犯問題が超公的問題として浮上している現実の中で、今日のような(多少違憲判決を意識して方式を変えたとはいえ)参拝を彼がすることに、一片の賛意も持ち得ません。

しかも、彼は<人間として戦没者を追悼し、平和を祈念するのは人の心のあり方であり、それを批判するのは干渉だ(特に外国が批判するのは内政干渉だ)>という主旨のことを発言しています。

こういう詭弁は本当に小泉純一郎的ですなあ。

1)靖国神社が特定の宗教法人であることを無視、2)被祀者が戦没者一般ではなく帝国軍人であることを無視、3)A級戦犯=謝罪した侵略戦争の責任者が祭られていることを無視、4)行政府の最高責任者=公権力行使の意思決定者の行為が、国民の「心の問題」=精神の自由との関係で問題になっていること無視、5)中国・韓国の政府との外交関係について国家指導者として向き合う姿勢が欠如(批判や論争も含めて)、6)中国・韓国の国民感情が反日ナショナリズムに帰結する危険大である環境に対してどのように対処するのかという展望が欠如、いくらでもあげられるので、これくらいでやめましょう。ともかく、権力者が自分の「心の問題」なんてふやけたことを堂々と言えて、メディアも無批判というのがこの2005年の日本の風景なのであります。

私も前に「小泉首相は靖国神社参拝を」と書きましたが、きっと理念あるナショナリストやアジア主義者としての右翼のみなさんも、小泉氏のこの姿勢には憤っていることでしょう。

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_ ◆木偶の妄言◆ - 2005年10月18日 17時45分00秒

小泉首相が靖国神社を参拝した。

公人にあたる人物の靖国神社参拝についての僕の考えは、「未来に続く靖国問題」、「靖国参拝の不思議(上)」、「靖国参拝をどうするのか? 」「(補稿)靖国参拝をどうするのか?」などで縷々語ってきたので、繰り返さない。ここでは小泉首相が靖国神社参拝にこだわる理由を考えてみる。

僕はもともと小泉首相自身には靖国参拝に対する思い入れはないのであろうと推測する。

2001年の総裁選で票田である遺族会向けに8月15日の参拝を「公約」。国会答弁で靖国参拝を何度も明言したために、本当の公約に「格上げ」になった。

しかし、実際には一度も8月15日に行われ...

_ FREE SPEECH─「自由な言論」は何処にある? - 2005年10月18日 22時00分14秒

「印象の奴隷」になるな〜首相発言を読む
No.1240(2005/10/18/火)から


最も困難な国際問題は、国内事情の対外的表現である場合が多い。

松本重治『上海時代(上)』p51
中公新書、昭和49年10月25日発行


■首相発言の感想

小泉首相が17日夕方、靖国神社でA級戦犯を参拝した後で話
した内容を、発言内容にあまり編集せず出したと思われる毎日
新聞から引用。随時ぼくの感想を書いておく。


「適切である」と判断した結果だ。今日は例大祭。1年1回参
拝するのはいいことだなと(考えた)。

「二度と戦争はしない」との決意を表明するとともに、今日の
平和は我々生きている人だけで成り立っているのではなく、心
ならずも戦場に赴き、命を失った方々の尊い犠牲の上に成り立
っていると片時も忘れてはならない。

「平和な時代を続けたい」と、戦没者の皆さんに敬意と感謝の
気持ちを伝えることが意義あることだと思っている。

(A級戦犯など)特定の人を考えて、参拝しているわけではな
い。
↑「二度と戦争はしない」決意の表明ならば、なぜ首相自身も
「戦争犯罪人」と認めているA級戦犯を参拝するのか。完全な
矛盾だが、そこを突くマスメディアはほとんど見当たらない。

「心ならずも」戦場に赴いた人を忘れてはならないという。

この首相の語法は、無数の「心ならずも」の悲劇を生み出した
責任者である、政治指導者の存在をかき眩(くら)ます詭弁で
はないのか。


<参拝時期>

今朝、(戦没者に敬意と感謝の気持ちを)伝えた方がいいと思
った。結果的に、郵政民営化法が成立したのは一つの節目かも
しれない。
↑この点は後述。


<参拝方法>

一般の方と同じように参拝するのもいいんじゃないか。今まで
は総理大臣として特別に昇殿を許されていたが、総理大臣にな
る前は今日のような参拝だった。総理大臣である小泉純一郎が
一人の国民として参拝する。「普通の国民と同じように」がい
いのかなと思った。総理大臣の職務として参拝したんじゃない。
↑普通の国民と同じように、というが、「普通の国民」は、あ
んなにたくさんの護衛は付かないよ。あまりにバカバカしくて
も、このバカバカしさを突かなければ、いくらでもバカバカし
いことになるよ。


<憲法問題>

伊勢神宮にも参拝しているが、あの時はどうして違憲じゃない
のか。(政教分離規定に反するとの指摘があるが)そうは思っ
てはおりません。
↑この開き直りは、A級戦犯を参拝することの意味を紛らわせ
る役割を果たしている。っつーか、こうした発言は天皇の心を
痛めるのではないか? 少なくとも、このような開き直りを押
し通すような参拝は、河野議長のいうとおり、「国民の総意」
ではないだろう。あ、そうか、個人の「心」の問題だったか。


これは心の問題ですからね。人から「参拝しなさい」「参拝す
るな」と言われる問題ではない。心の問題に他人が干渉すべき
ではない。

日本人が日本人の戦没者に、あるいは世界の戦没者に哀悼の誠
をささげるというのを「いけない」とか言う問題ではない。い
ずれ長い目で見れば、中国も理解していただけると思う。

日本は二度と戦争はしないと、戦没者に対して哀悼の誠をささ
げるというのは当然なことだということをね、これからも説明
していきたい。日本としては日中友好、日韓友好、アジア重視
、変わりません。
↑「招集した人」と「招集された人」とをごっちゃにして、
「戦没者」という抽象化の暴力によって本質が暈かされている。


首相の靖国参拝について閣僚の大半は「首相の個人的判断であ
ろう。論評する立場にない」(谷垣禎一財務相)等と評価を避
けている(共同)。また、

次期外務大臣候補の猪口孝子
「総理はご自身で適切に判断するとおっしゃって判断されたわ
けですから、それについて私から何か言う立場にはまったくご
ざいません」

片山さつき
「(首相の)会見をまったく聞いてないんで分からないんです
よ。ええ、どういう位置づけでか、まったく分からない」

佐藤ゆかりたん
「私的参拝ということなので、どうこうという話ではないと思
います」

商店会長から衆院議員になった安井潤一郎
「私自身も賛成か反対か分からないのが正直なところ。もっと
議論していく必要があると思う」

なんだよあんたら、小泉首相のおかげで議員になったんだから
、もっと応援してやれよ。腰砕けのヨレヨレじゃねえか。


■■参拝時期の深慮遠謀

首相発言を逐一見てみると、「参拝時期」について、なんとも
ぼんやりした言い方にとどまっていることがわかる。「適切」
な判断がいかに適切だったか、の説明が皆無だ。

下に紹介しておいたが、首相側近の中川秀直・自民党国対委員
長によると、小泉首相は「マスコミが、いつ行くか、いつ行く
かと、ずっと粘っていた。待たせては申し訳ないから行った」
と語ったそうだ。

なんじゃそりゃ。

「マスコミ」の人は、さすがに少しは怒ったほうがいいんでな
いのか? 怒ってないのであれば、国民は、首相からもマスコ
ミからもバカにされていることの雄弁な象徴である。

『論座』『現代』11月号などに詳述されている世耕幹事長補
佐を中心とする衆院選における見事な広報戦略を知る限り、小
泉首相がこのような無為無策で参拝に臨んだとは思えない。公
言しないだけで、明快な戦略があったはずだ。

それは、大きく2つあるだと思う。

1つは、「ぶれない」というイメージの貫徹である。

もう1つは、「中国の反発を封じ込めるためには、まさにこの
時期が適切だ」という政治的判断である。


■■(1)印象の奴隷

「ぶれない」「白黒つける」が小泉首相の唯一の売りである。

中・韓関係が悪化することは火を見るよりも明らかなのに、な
ぜ参拝を強行したのか。

それは、参拝しないことで、「外圧に屈した」という印象が強
まることを、極端に恐れているからに他ならない。いちど印象
が崩れたら、それは小泉首相のアイデンティティー(それがど
んなに貧しいアイデンティティーであろうと)の否定に直結す
る。

小泉首相は自らつくりだした“印象の奴隷”であるがゆえに、
A級戦犯を参拝せざるを得なかった。マスメディアがここを指
摘しない限り、ニッポン人は「印象の奴隷」になる。

違憲判決への配慮など、些事に過ぎない。


■■(2)中国封じ込め

もう一つの戦略は、中国の反発の封じ込めである。それは、参
拝強行による関係悪化を最小限にとどめる、という日本側のみ
の判断ではなく、中国の発展を少しでも封じ込めたいアメリカ
の思惑も間違いなく絡んでいると思うが、それについては、わ
っかんねえから、とりあえず日中関係について。

ともあれ小泉首相の周辺は、間違いなく「参拝による外交被害
を最小化する方法」を考え抜いたはずだ。

外交上の被害とは、主に中国の反応による。中国といっても、
中国国民ではなく、中国指導部の反応である。

11月上旬には北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議、同18、
19日にはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議、
12月には東アジアサミット、盧韓国大統領の来日と続く。

今回の参拝で日中関係はほぼ断絶したわけだが、前回のような
反日デモが再発すると、あのときの両国の反応を思い返せばわ
かるように、困るのはニッポンではなく、中国である。事実、
今回の参拝は、中国国内ではそんなに大きく報じられていない。

今回の参拝は、小泉を支持する脆弱な国家主義を強化するため
に、数人の小才子たちが練りだした卑劣な煽りであると思う。

アジア外交という、現在ただいまの「最も困難な国際問題」は
、まさしく「国内事情の対外的表現」に他ならない。この「内
外の関係性」こそ、政府の世論操作を見抜き、無化するために
最も必要な観点であると思うが、どうだろうか。

▼中国在住の友人からきいた話だが、少し前に広東省を訪問し
た温家宝首相は、珠海、中山、佛山、広州、東莞、深センなど
を視察。そのとき、広州で、わざわざ「広州ホンダ」の車に乗
り、その様子をわざわざテレビに撮らせたという。

なぜ、そういうパフォーマンスをしたのか。それは、中国では
日本車の不買運動が広がっているからだという。日本車に乗っ
ていると窓ガラスを割られたり投石されたりで、身の安全が保
証できないわけだ。

「中国指導部は、かなり冷静に、必死に、世論をコントロール
しているんだよ」と、友人は言っていた。ぼくも、そうだと思
う。

いま、中国の政治家は選挙で選ばれない。だから「それって独
裁じゃん」と非難されるわけだが、それじゃあ、アメリカやニ
ッポンのような、選挙による大衆迎合政治ならスバラシイのか
ね? と問われて、そうとも、スバラシイのだよ、と答えられ
る人は少ないだろう。

日中戦争における中国の犠牲者は、1000万人を超える。そ
れよりも多いかも知れない。南京虐殺などと同じく、そもそも
数にさほどの意味はないだろう。「数え切れない数の人々」が
日本軍に殺されたのだ。

それから60年が過ぎたわけだが、いわば、たった二世代であ
る。12億の人民のなかには、いまも数億人を超える「反日大
衆」が厳然と存在している。

もしも中国が選挙制度を導入し、そのときの国家主席が「12
億人の声を直接背負う」ようになれば、現在のような日中関係
が、改善されるだろうか。おそらく、絶対に無理だろう。

神戸新聞の18日付コラム「正平調」から一文を引用しよう。


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中曽根元首相が参拝をやめたのは『アジアでの孤立』を懸念し
ただけではない。著書『自省録』にこうある。中国の実情を探
ると、参拝が当時の胡耀邦総書記の立場をも危うくしかねない
と分かった。日本を重要視する胡氏が失脚でもすれば…との政
治判断である
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中曽根が真っ当な政治家にみえちゃうじゃん(笑)。「他者と
の関係性」を重視し、「互いに栄える」ための政治判断、およ
び判断を行動に移すシステムを、小泉政権は持ち合わせていな
い。

しかし、「印象の奴隷」と化した人々は、こうした同時代史的
視点を忘失してしまう。イメージを壊すためには、論理と想像
力が必要だ。


■■首相靖国参拝、地方紙イッキ読み

まず、全国紙のコラム・社説、次に地方紙のコラム、最後に全
国紙・地方紙の社説見出し、から適当に抜粋。

▼では、さっそく全国紙から。讀賣、日経もけっこう慎重論だ
。朝日の社説がふにゃふにゃしていたなぁ。


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中国や韓国の指導者にはぜひ、首相の気遣いにも思案を巡らせ
てほしいものである。紅葉の美しい秋、登りながら考える山路
はあちらにもあるだろう。

讀賣・編集手帳
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中国政府や韓国政府は反発している。首相の靖国参拝をめぐっ
て、国内にも様々な意見がある。それに対して首相はあまりに
も説明不足である。

讀賣・社説
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↑この2つの意見って、けっこう対立しているよね? 讀賣社
内でも悩んでるんだろうか。


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兼好法師なら「だから人知れず参ればいい」というだろう。だ
が、おしのびの許されぬ首相とあれば、その行動すべてが政治
の色合いを帯びることを知らぬわけではなかろう。これみよが
しにメディアを通して見せつける「信心」も「政治」になる

毎日新聞「余録」
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今回の参拝は従来と違って昇殿参拝はせず、記帳もせずに一般
の参拝客と同様の形式とするなど工夫の跡も見えるが、これで
問題が解決するわけではない。中国、韓国などとの外交関係は
一段の悪化が懸念される。首相はアジア外交をどう立て直すの
か、国民にはっきりと説明すべきである。

日経・社説「これが『適切に判断』した結果なのか」
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全国紙のなかでは、産経の「主張」が相変わらずガンガン飛ば
しているが、「来年、小泉首相の後継者として、誰が次期首相
に選ばれても、靖国参拝を継承してもらいたい」という文末に
は、ちょっと投げやりな雰囲気を感じた。


▼さて、地方紙。北國新聞以外は、だいたい慎重論だった。


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おやっと思わせた。これまでのようにモーニングでも羽織はか
までもなかった。本殿に上がるいつもの流儀も変えている。ふ
つうの背広を着て拝殿の前に立った。首相としての記帳もして
いない

頑固な首相にしては珍しい。理由を推測できる出来事といえば
、あれしかない。先月末、大阪高裁が首相の靖国参拝を「公的
」かつ「憲法違反」とみなした。司法判断に一定の配慮を見せ
た、と考えると分かりやすい

判決のあと首相は「憲法違反でないという判決も出ているのに
」と語っていた。勘違いだったようだ。判決は「公的で違憲」
か憲法判断を避けるかの、どちらかしかない。気づいて「私的
」を強調するほかなかった、と考えるともっと分かりやすい

憲法論争を根っこから断つ方法が二つある。一つは自民党の新
憲法起草委員会が夏に草案で示した「政教分離」規定の緩和。
もう一つは国立追悼施設の建設だ。国民はどちらを選ぶだろう
。郵政民営化のように直接尋ねる方法がないのがもどかしい。

西日本新聞「春秋」
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いくら「私的参拝」といっても公約に掲げての首相の参拝が「
私的」で個人的ではあり得ないことは誰の目にも明白だ(高橋
哲哉著「靖国問題」ちくま新書)。参拝の形を変えることで批
判をかわそうとしたとすれば、それこそ小泉さんらしくない。

北海道新聞「卓上四季」
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精神科医の香山リカさんはジャイアン人気をこう分析する。「
もしかすると多くの人の心の中にも『自分の欲望のままに現実
を変え、まわりの人たちをその変えたほうの現実に従わせるこ
と』に対するひそかなあこがれがあるのかもしれない」(『い
まどきの常識』岩波新書)

首相の国民的人気の高さも、自分の欲望のままに現実を変えて
しまうことへの世間のあこがれだろうか。ぶれないことが何よ
りも優先される。なぜ反対されるのかという考察は、二の次に
なってしまう

河北新報「河北春秋」
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だが、自民党総裁選(二〇〇一年四月)の公約は「八月十五日
の靖国参拝」。ところがその年、八月十三日に前倒し、翌年は
四月二十一日、一昨年は一月十四日、昨年は元日。終戦記念日
にという公約は守られていない(中略)といっても、八月十五
日に参拝を勧めているわけではない。念のため

中国新聞「天風録」
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「朝刊に靖国神社に(A級戦犯の)松岡、白鳥などの合祀(ご
うし)のこと出、テレビでもいふ。いやになっちまふ」。昭和
天皇の侍従長を務めた入江相政(すけまさ)さんが日記にそう
書いたのは、一九七九年四月十九日だった

その日の朝「靖国神社が東条英機元首相らA級戦犯十四人を合
祀していた」と報道されたのである。昭和天皇は、戦後日本が
占領から解放された五二年に靖国神社を参拝して以来、七回参
拝していた。だが入江さんが日記で嘆いた後、逝去されるまで
靖国神社を参拝することはなかった

大阪高裁の違憲判決から日の浅い十七日に五回目の参拝を行っ
た小泉純一郎首相は、かねがね「二度と戦争を起こさないとい
う不戦の誓いをするため」と語っていた。「不戦の誓い」なら
、政治と宗教の分離を定めた憲法に触れる心配のない場所でや
ってほしい

さらに靖国神社の歴史観が論議を呼んでいる。極東軍事裁判が
A級戦犯と断じた戦争指導者を祭った靖国神社は、展示施設の
「遊就館」やホームページなどを通じて「大東亜戦争は日本を
守るための戦争だった」といったメッセージを発するようにな
った

小泉首相は「(A級戦犯を)戦争犯罪人と認識している」と明
言している。靖国神社参拝が、日本の侵略や植民地支配に苦し
んだ国々にどのような思いを与えるか。アジアの人々の心への
想像力も、首相に求められる資質の一つであろう

新潟日報「日報抄」
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「三権分立」という言葉がふと浮かび、あらためて広辞苑で調
べてみた。「権力の濫用を防ぎ、人民の政治的自由を保障する
ため、国家権力を立法・司法・行政の相互に独立する三機関に
委ねようとする原理」とある

わが国では少々怪しい風が吹き始めていないだろうか。行政つ
まりそのトップの首相が“独走”態勢に入り、立法府を解散と
いう手で封じ込め、首相が議場に立てば大拍手という状況だ。
野党以外で異を唱えれば、弾き出されてしまう

司法はどうだろう。大阪高裁は先月三十日、小泉首相の靖国神
社参拝について、「憲法の禁止する宗教的な活動に当たる」と
して、違憲の判決を下し確定した。「小泉首相への強い警告に
なる」と、原告の弁護団は期待感もにじませた。首相はこの判
決も意に介さず、きのう参拝を強行した

(中略)法を守るということを国民はどう理解するべきなのだ
ろう

「一国民として参拝している」といくら言っても、小泉さんの
下に三権があるように見え出したのは、心配のしすぎだろうか。

茨城新聞「いばらき春秋」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


▼最後に、社説の見出しを拾った。はやく無宗教の国立追悼施
設の建設を、という結論が多かったですね。


靖国参拝 負の遺産が残った 朝日新聞

首相靖国参拝 もっと丁寧に内外に説明を 讀賣新聞

靖国参拝 中韓の反発が国益なのか 毎日新聞

これが「適切に判断」した結果なのか 日本経済新聞

首相靖国参拝 例大祭にしたのは適切だ 産経新聞


靖国参拝強行 改革の機運も台無しだ 東京新聞
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聞く耳持たぬ首相の尻ぬぐいに、官邸、外務省が走る。見苦し
い。

側近の中川秀直・自民党国対委員長によると、首相はこう語っ
たという。「マスコミが、いつ行くか、いつ行くかと、ずっと
粘っていた。待たせては申し訳ないから行った」

事実なら、侮られたものだ。マスコミも、国民も。
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首相の靖国参拝/「信条」だけでは済まない 神戸新聞

国の内外に軋轢を高める 首相の靖国参拝 西日本新聞

首相靖国参拝 なぜ摩擦を引き起こす 新潟日報

靖国参拝 内外に亀裂を深める 信濃毎日新聞

首相靖国参拝/中韓との関係悪化を憂慮 参院中央新報

首相靖国参拝*聞く耳を持たぬ危うさ 北海道新聞

国益に反する行動慎め 岩手日報


小泉首相の靖国参拝/憲法を軽視してはならない 河北新報
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首相は今回、参拝のやり方を変えたが、多くの議論がある中で
あえて参拝したこと自体が、靖国神社への特別の支援という印
象を与えることは否定できない。

最大の政治権力者にとって、一般の人と同じ方式で参拝したと
言っても、その効果は格段に違う。政教分離原則は、個人的な
信条を超えて守らなければならない憲法上の制約であるとみな
すべきだ。
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首相靖国参拝 適切な判断とは思えない 山陽新聞

小泉首相靖国参拝 「国益」より「信条」ですか 徳島新聞

靖国参拝 首相の責任が問われている 愛媛新聞

靖国参拝 憲法、外交感覚を疑う 高知新聞

首相靖国参拝 国内外への説明責任果たせ 熊本日日新聞

首相靖国参拝 個人の信条より国益を優先すべきだ 南日本新聞

首相靖国参拝 違憲判決を無視するのか 沖縄タイムス

小泉首相、靖国参拝・「信条」優先でいいのか 琉球新報

小泉首相の靖国参拝を憂える 陸奥新報

首相靖国参拝 個人の信条では済まぬ 茨城新聞


▼やはり、地方紙では慎重論が圧倒的だった。この潮流を、な
んとか活かすことはできんかね。


【思索と陰翳】

▼冒頭引用の松本重治の文は反日デモの時にも紹介したのだが
、あれからも『上海時代』を取り上げるメディアは見当たらな
いので、ちょうどいいかなと思い再掲。ほんと、いい本なのに
なぁ。

_ カッシーニでの昼食 - 2005年10月18日 22時48分56秒

昨日、小泉首相が就任後5度目の靖国神社参拝を行った。

この影響で韓国は12月に予定されていた日韓首脳会談の延期の可能性を示唆している。
23日から町村外相が訪中し、APEC首脳会議での日中首脳会談の開催を打診するとともに東シナ海のガス田開発などの協議を行う予...

_ 世に倦む日日 - 2005年10月18日 22時55分12秒

小泉首相が昨日(10/17)を靖国参拝の決行日に選んだ裏側を考えてみると、何やら用意周到で狡猾な戦略的計算を感じさせられる。まず最初に中国との関係の点で言えば、11月17日にAPEC首脳会議があり、12月には東アジアサミットの日程があって、そこでは4月のジャカルタと同じように否応なく日中首脳会談がセットされる。中国政府も首脳会談を前にして4月の反日デモの混乱と緊張の再現は避けようとするはずで、すなわち国内の反日世論が煽られないように監視と制御を強めるだろうという計算を立てることができる。反日デモや強硬抗議の波風を立てることなくAPEC首脳会議と東アジアサミットの首脳会談を乗り切ることがで...

_ Smenaな日々・裏版 - 2005年10月20日 09時23分53秒

今日(10/17)は私はお休み…なんてお気楽なPCを見ない楽しい日…のはず…なのに、今、こうしてキーボードを叩いてるのは、午前中、歯医者にいくので、いつものように起きて、天気予報が知りたくて、「めざましテレビ」を見ていたら、このニュース…気分が憂鬱になってきた
Excite エキサイト : <小泉首相>靖国神社に参拝 就任以来5回目
小泉純一郎首相は17日午前、東京・九段北の靖国神社に参拝した。首相参拝は04年1月1日以来で、通算5回目となる。首相参拝には中国、韓国など近隣諸国が強く反発しているため対応が注目されたが、「年1回参拝」の公約を優先した。首相は同神社の秋季例大祭期間であ...