公明党の永住外国人地方選挙権付与法案 ― 2005年10月25日 22時46分40秒
公明党が永重外国人に地方参政権を付与する法案を提出したというニュースが流れました。でも公明党の「東順治国会対策委員長は記者団に「今国会での成立は物理的に無理だろう」と指摘した」というのだから、「独自色」を出すということなのでしょう。
公明党のHPでは条文案を見つけられませんでしたが、これまでと修正した点ははっきり書かれていました。 http://www.komei.or.jp/news/daily/2005/1022_02.html
[公明党が]今回提出した法案は、韓国で今年6月、外国人永住者 に地方選挙権を付与する法律が制定されたことなどを踏まえ、 相互主義の原則に基づいて、付与対象者を「この法律により付 与される地方選挙権と同等と認められる地方選挙権を日本国 民に付与している国の国籍を有する永住外国人に限る」と修正 した。
周知のように、朝鮮総連は反対しているわけですが、民団などの在日コリアンの人々は法案実現に向けて努力しています。私たちも無関心ではいられません。
靖国神社参拝問題も同様ですが、植民地化や侵略戦争を合理化どころか賛美する軽薄な議論は論外ですし、ネットにあふれる、だだっ子幼児の叫びのような夜郎自大の排外的・差別的落書きは、日本民族の「恥」だと思います。ですから、そのようなスタンスからの、公明党攻撃には私はけっして与しません。
ただ、相互主義をとることにした「修正」は、すぐに賛成はできません。公明党の論拠を検討していないので、この時点では感想的なことしか述べられませんが、自自公時代からあった朝鮮籍排除への回帰で成立を容易にしようということではないのでしょうか。
また、相互主義というのも、日韓関係においては意味がある面はありますが、元来は参政権に反対の立場から始まった議論ではないでしょうか。
ともかく、「小泉構造改革」に見られるメディアを使った扇動・情報戦が「上から」展開され、他方ではジワジワと罵詈雑言による破廉恥暴言の突撃隊的運動が「下から」展開される中で、この問題について(も)冷静な議論も判断ができなくなっています。
原理的には、日本国籍の取得=「帰化」が常に選択可能でなければならず、韓国・朝鮮系の日本国籍者が何ら「同化」を強制されずに日本国民としての権利を保障される状況がつくられなければならないはずです。しかし、同化を迫る日本社会の根にある一貫した問題があります。戦後60年経っても私たちが植民地政策、同化政策を清算し切れていないことは明らかです。
他方では国際化が進む中で必然的に、外国人を社会的に受け入れる枠組みをつくっていくという別のレベルの議論もされています。
次元の異なることをきちんと整理して議論するということが、今の現状は決定的に欠けているのではないでしょうか。
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