年末に(嫌中・嫌韓・嫌米・嫌日の虚妄)2005年12月25日 20時06分08秒

 昔は年末になると、その年を振り返り、今後の行く末について考えることが多かった。少なくとも、2000年代に入ったばかりの頃までは、そのようなゆとりがあった。

 しかし今、なぜかそのようなゆとりがない。単に時間が無いという意味ではなく、自分の周囲の小状況にしても、社会的な大状況にしても、立ち止まってじっくり考えようとすることが難しいほど、危機的でせっぱ詰まっているのだ。

 少数の上層の人々はバブルの再現を思わせる、偏った景気回復に酔っているけれど、その矛盾を押し付けられる側が、それを押し返そうと現実の生活の中で立ち向かうためには、絶望的な努力を必要とする。それは、政治の状況でも同じだ。

 新自由主義や国家主義への反転攻勢を行っていくためには、一刻の猶予も許されないのに、政治や社会運動の「指導部」の人々は、固定化されパターン化された枠組みの中で「引きこもっている」かのようである。日々の生活をおくるだけで精一杯の庶民をまるで俯瞰しているだけのようにさえ思ってしまう(そうではない人々もいることを知ってはいるのだが!)。

 と、愚痴めいたものいいになってしまったが、何かに期待しても仕方ない。庶民の一人一人ができるこをするしかないのだ。
 耐震偽装問題であまりに露骨に隠蔽を行おうとした自由民主党・公明党の指導部の連中も、欺瞞的にではあるが、ちょっとは「真相解明」のポーズをとってみせたように、庶民の行動を彼らは恐怖していることは確かだ。

 とりあえず新自由主義改革とナショナリズムをメディアがさかんにまき散らしている中で、それに影響をされる人々の意識の中にも、それらを克服していく芽がまったく摘まれているわけではないずなだ。

 といっても、それを現実にしてくことは疲れる。
 今日もこんなニュースがあって、イヤな気分だ。
内閣府が二十四日発表した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じる」と回答した人は32・4%と前年より5・2ポイントも減少、この質問を始めた昭和五十三年以降、最低となった。逆に「親しみを感じない」とした人は63・4%(前年比5・2ポイント増)と過去最高になった。また、日中関係を「良好と思う」と感じている人は19・7%(同8・4ポイント減)と10%台に転落。「良好と思わない」は71・2%(10・2ポイント増)にものぼった。
   「政冷経熱」と言われる日中関係だが、四月の反日暴動や小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発する中国の姿に、日本国民の間で「嫌中意識」が広がっていることが裏付けられた。
 一方、韓国に対しては「親しみを感じる」とした人は51・1%と過半数を占めたが、四年ぶりに減少。「親しみを感じない」と回答した人は44・3%と前年より5・1ポイント増えた。
 日韓関係については「良好と思わない」と回答した人は50・9%と前年から16・0ポイントもはねあがり、「良好と思う」(39・6%)を四年ぶりに逆転した。  首相の靖国参拝や竹島問題への韓国政府のかたくなな対応が影響したとみられ、「冬のソナタ」など韓国ドラマなどによる「韓流ブーム」も陰りが出てきたようだ。

 「嫌中」・「嫌韓」という下劣な言葉を創造し流通させているメディアにとっては、さぞ誇らしい結果であろう。
 そもそも「外交に関する世論調査」が、国家や地域単位(たとえば「中東諸国」)に親しみを感じるかなどを聞くことに意味があるのだろうか。
 個々人の個性や、国家に内包される諸文化を捨象して、国家単位で「親しみ」なるものを実体化させるのは、イデオロギー操作ではないか。
 日本国民に「日本国に親しみを感じるか」を聞いてみることを考えれば、それが何を意味するかはわかるというものだ。
 「親しみを感じる」「感じない」の対象が、中国や韓国の現政権の外交政策であり、それについて聞くというのならまだ意味があるかもしれない(言葉の用法としておかしいが)。
 それをメディアがさらに「嫌中」「嫌韓」などと、露骨なレッテル張りをして悦に入っているのだから、余計に始末が悪い。
 「嫌米」だとか「嫌日」だとかいうのも同じく下劣で虚妄だ。こうした発想は、結局わたしたち庶民を国家の道具に絡め取ろうとするものにほかならない。

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追記:「抗日」や「反米」がその国の政府による不当な侵略や抑圧との対抗で用いられたような使用を否定しているわけではありません。

コメント

_ ま~その~~ ― 2006年05月11日 22時01分22秒

「嫌中」・「嫌韓」という下劣な言葉と言うなら、国家として行っている、捏造してでも行っている、下劣な反日教育は如何でしょう。中国はトロツキーの下部、下劣な人権抑圧者!それ以外の何者でもない。今は地球の破壊者ともなっている。
そろそろ支那・韓国とは恫喝に屈した外交は止め、距離を置いた方が良いと思う。

_ memphis ― 2006年05月13日 16時26分26秒

コメントありがとうございます。
「嫌中」「嫌韓」と同じように中国・韓国のネットウヨ・ナショナリストの下劣さは、まったく同質だと存じます。彼/彼女らも、日本の恫喝に屈した外交は止め、距離をおいた方がよいと、主張しております。
「捏造云々」も中韓で同様に満ちあふれておりますが、思考回路が同質だからではありませんか。
「トロツキーの下部」は日本語として意味不明です。

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