堀江貴文逮捕でもNHKニュースに偏向ないか2006年01月23日 21時30分42秒

堀江貴文ら4名が逮捕されたニュースが一斉に流された。NHKが8時から番組を変えて報道したのはよいのだけれど、何度も掘江の足跡を振り返る絵をくり返す。速報ではあるが、予想されていた事態に対して、何が問題なのかを掘り下げる視点がない。というよりも、視点をわざと視点を狭めようとしているようにみえる。
逮捕直後の報道として一番問題なのは、<掘江的なもの>を時代の旗手であるかのように持ち上げた小泉自民党への批判的な要素が意識的に捨象されているということだ。もちろん昨年の総選挙での立候補についても触れてはいる。しかし、掘江が「改革」Tシャツを着て汗をかいている漫画的な絵だけで、自民党躍進の原動力になった堀江の役割は、思い起こされないように操作されている。他の民放では繰り返されている、武部や竹中の歯の浮くような持ち上げ応援演説の絵はまったくカットされているのだ。
総選挙の時にNHKも掘江を何回もとりあげて、「小泉劇場」の片棒をかついだ。それは、ある面では状況からして仕方の内面もあったろう。だからこそ、今はその時の何回もくり返された絵を3秒でもよいから流すべきだ。
別に今すぐに小泉自民党への批判的コメントをしろとは言わない。しかし、最低限の客観性を「公共放送」なら担保すべきなのだが、意識的にそれを隠蔽しているのだ。

NHKニュースは、掘江貴文の逮捕に至る問題が、単なる個人または個別企業の問題に狭めてしまおうというベクトルがすでに動き出していることを象徴しているように思える。
「公共放送」であれば、多様な視点に広がりを持たせ得る要素をきちんとありのままに出せばよい。民主党も掘江貴文に接触していたのだから、それだって触れる。少なくとも政治とは関係ないとか、現在の経済秩序とは別問題というように、あらかじめタガをはめてはならないはずだ。

さて、多様な見方の一つにすぎないが、私の感想を簡単にふれておく。
堀江やライブドアだけの問題だったということになれば、新自由主義ポピュリスト派の小泉政権らは、傷つかないし、うまく利用すれば、他の致命的なイシューの目くらましに使われるだけになる。いや小泉が傷ついても、新自由主義派全体が生き残れるようにすればよいということが目指されるだろう。
堀江たちの容疑が、証券取引法の偽計や風説流布にとどまってしまえば、倫理無き<やりすぎ>はいけないという印象だけに終わる。
そして、やはりエスタブリッシュメントになることが大切だという<教訓>を若者は学び、保守主義と事大主義という心性が復活するだけになるだけである。倫理という名で伝統主義や国家主義にポピュリズムが回収されていく。

堀江的な問題は、はっきり言えば低次元である。しかし、低次元な人物の言動に、私たちが関心をもたざるをえないのが、現代の日本の状況だ。政治・経済・文化に関わる問題とならざるを得ないのだが、情報・議論を限定させず、本質的な問題を浮き彫りにしていかなければならない。

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