フランスと日本と民主主義的なのは?2006年04月02日 19時29分00秒

フランスで「若者を簡単に首切り出来るようにし、そのかわりに雇用を増やしてやるよ」というCPEに反対する、学生・若者の街頭行動やそれに連帯する労組のストライキが激しくおこなわれました。

それに対して、「街頭行動が政治を動かすなんて、これだからフランスは・・・・」などという声が、あちこちから聞こえてきます。

確かに、高校生が公共機関を占拠するような「行動」が理性的とは言えないことはそのとおりでしょう。しかし、怪しげなテレビ詐欺師が政治を左右する「民主主義国」が、それを笑えるでしょうか。詐欺師(まがいの人物)が行政の最高責任者を占めているアメリカ合衆国、イタリア共和国、日本国では、メディアの狂騒が政治を左右しています。

「ネットウヨ」より見識・知識もない、「タレント」(無恥なだけのバカのことを日本語ではなぜかそう呼びます)が、テレビ・スクリーンを通して、大衆を動かして政治を左右する国が、フランス革命以来の伝統を嗤っていてよいのでしょうか?

どちらが民主主義的か?というのは、ナンセンスなのは分かっていますがね。

東京新聞 星野智幸「差別はなかったか」反響特集2006年04月19日 23時59分52秒

今日の東京新聞夕刊で、星野智幸氏が同紙の4月3日付に書いた「差別はなかったか WBCがまとう暗いナショナリズム」への反響について特集をしていた。

ネット上では溢れている、「韓国が好きなら韓国へ行け」などのような、まことに恥ずかしい(おつむの中身という点でも、人としての品性という面でも)レベルのものは、新聞社への直接の「反響」としては少なかったようだ。

しかし、まともに文章を読めないからそうなるのだが、イチロー選手個人を批判したものという誤解は多かったようだ(まさに学力低下という言葉が当てはまる)。実際、WBCを通しても、竹島のことでも、メディアを通して韓国の国民=「敵」と暗黙に想定してしまっている人が多いように感じる。

私は、星野氏が率直に問題提起をしたこと自体を、とてもすがすがしく感じた。

その後、例の教育基本法の改正案が報道された。「愛国心」条項だけではない、その全体主義的体質(学校秩序条項など)は、冗談かと思うほど本当に胡散臭い。が、「愛国心はどうですか」と聞かれれば6割の人は、「いいんじゃない?」と答えてしまう思考停止状態だ。

星野氏が書いた文章が注目を集める2006年の状況こそ、自由民主主義の危機を物語っている。本当にこの国を愛するなら、黙っているわけにはいかない「暗い」状況がある。