お笑い教育基本法改「正」?2006年05月03日 23時23分59秒

 現行日本国憲法下の憲法記念日もあと何回でしょうか?
 私は、原理的には憲法改正賛成ですが、反立憲主義勢力が進める憲法「改正」には反対です。

 改正に必要な国民投票法は、今国会成立は難しいと言われていますが、日本国憲法と一体の「教育の憲法」=教育基本法改悪については、数にものを言わせて押し通す気配です。

 与党・政府の教育基本法改「正」案。
 「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という表現になりましたが、「愛国心教育」として学校現場に、これまで以上に批判精神を圧殺する「愛権力者教育」=亡国教育を強制する根拠になることでしょう。

 自民党文教族などによる「教育基本法改正促進委員会」は、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」という現行教育基本法10条を敵視してきました。
 この10条は、戦前の国家統制に基づく教育支配への反省に基づいていたわけですけれど、権力者=文教族=ニセ愛国者にとっては、これほど都合の悪い規定はありません。そこで、彼らは「教育行政は不当な支配に服することなく」などという条文に180度変えようとしてきたわけです。
 本当に大笑いするしかないですね。国家権力が行う教育政策を批判されたくない、強制したい、だから教育行政に対する「不当な支配」?は許さない、というわけなのです。民主主義をまさにひっくり返そうというわけです。

 彼らが大嫌いな「日教組」や「国民の教育権」論者が、本当に間違っていると思うなら、民主主義的な討論によって論破すればよいのです。民主主義社会において、教育や内心については、国民の意思を最大限尊重するべきであるという、ABCがまったくわかっていないのです。いかに彼らが立憲主義的な姿勢と背反しているかがよくわかります。
 権力によって教育を支配したいという、権力者の欲望丸出しという恥も外聞もないのは、さすがにまずいということで、「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり」という表現として改「正」案に一部残りましたが、「国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」という大事な点は見事に?消え去りました。

 極右政治家が知事を行っているある自治体が、「職員会議で挙手をさせるな」という通達を各学校に出したそうですが、本当に「お笑い」としか思えないようなことが、現実に堂々と臆面もなくまかり通っていくのが、現下の日本国の一断面だということでしょう。