来年のこと(憲法改定の結節点)2006年12月31日 00時06分13秒

「5年後には教育基本法改正実現を」を書いたときに、考えていたことを延長した内容です。

 教育基本法改悪が可決されても、何となく「憲法改悪はそんなに簡単にいかないだろう」という空気も一部にありますが、楽観はできません。

 「教育基本法改悪反対」の意思を多数の人々はもちませんでした。この数年間、「今の教育はおかしい」「子どもや若者に規範意識や公共心を持たせるべきだ」という漠然とした合意が形成されている土壌の中で、「教育改革は必要だ」と多くの人が感じてきています。そのような感覚がつくられる客観的な現実(=教育や社会関係の歪み)が存在するわけですから、その感覚は間違っているとは言えません。
 そのような漠然とした合意を最大限に利用して、国家主義的改悪が推進されてしまいました。「やらせTM」の問題が明白になったけれど、法案そのものの危険性が明々白々にならなければ世論は改悪をストップするように動かなかったということだと思います。

 憲法についても同様の状況がすでにかなり作られています。 北朝鮮軍国主義の危険性など、今の日本がおかれた安全保障上の現実を利用しながら、「平和のためにこそ平和ボケから脱却し当たり前の安全保障ができる憲法に」という空気を作りだしています。
 また、「行き過ぎた人権や個人主義ではなく公共=国家への義務や奉仕の精神を」というメッセージをふりまいて、誤魔化していくことは教育基本法改悪で十分可能なことを実証しました。

 ですから、安倍首相が在任中に憲法改正をやると言っているのに、「できないだろう」などと考えたとしたら、脳天気ということでしょう。
 この数週間で、確かに安倍内閣の支持率はおおむね40%台に落ちていますが、「支持率の浮き沈みは常にある」という安倍氏周辺の受け止め方はまったく間違っていません。
 本間政府税調会長や佐田行革相の辞任は、安倍首相が説明責任をまったく果たせないことを鮮明にしたし、いまだに問題はまったく終わっていないのですが、安倍政権本体や自民党主流の右翼化路線に本質的な打撃を与えられないというのが実情です。むしろ何も説明されず「辞任だけ」といういい加減な「けじめ」がまかり通っている恐ろしい状況です。

 私は、世論の中で、意識的な護憲派は少数だし、安倍内閣が進める国家主義的憲法改悪の危険がほとんど知られていないことが「ヤバイ」状況だと思います。(「護憲派」自体の問題はあるのですが)。
 
 教育基本法改悪の教訓の一つは、安倍氏のやりたい憲法改悪について、改憲派も含めて、「反対」の世論・陣営が作られる必要があるということでしょう。
 憲法9条をめぐって「自衛隊は合憲と明確に改正しよう」という「改憲派」でも米軍と一体化した「集団的自衛権」に反対する人は少なくありません(特に旧保守本流支持者)。また、「行き過ぎた個人主義は困ったものだ」と思っている人でも、内心の自由の侵害や男女平等の後退については反対の人が多数のはずです(都市的無党派層)。

 それから、世論のレベルだけではなく、絶対に統一地方選や参院選で、国家主義派を後退させなければなりません。具体的には自公の与党連合を敗北させることはマストです。
 でも、外から見ていると、今の野党指導部には、選挙で本当に勝とうという気迫が伝わってきません。歴史的な分水嶺の選挙になるという認識があるように見えません。
 だいたい、首都東京の知事選の野党統一候補者すら決まっておらず、・・・いやそれどころか、参院選において野党の選挙協力が本格的にできるかどうかもわからないという為体です。

 各党の個々の議員や活動家のみなさんの中には、社会をよくしようと本当に骨身を削って日夜努力されている方がたくさんいることは、私もよく知っています。しかし、そういう人々の顔を思い浮かべながらも、今の指導部のどうしようもない連中の下にある党(私が念頭に置いているのは民主・共産・社民党ですが)に一票を託さなければならないというのは、悔しいというか情けないのですが、それが日本の現状なのだから仕方ありません。
 憲法の国家主義的・好戦的改悪にストップするために、選挙における野党の協力をさせないとどうなるかは、ここ何回かの国政選挙と、教育基本法が改悪されたその結果という「国民の経験」をきちんと見れば明白です。

 それから、安倍政権は来年の選挙で正面から「憲法改定」を争点化し国民的議論となるようには絶対しません。「公務員制度改革」「年金改革」「教育改革」などをお題目にして官公労や制度改悪反対派を「抵抗勢力」と悪罵していくこと、対外緊張を煽って憲法改悪の下地づくりをしていくことは、もうわかっているのだから、それへの対抗策を今から準備してほしいものです。

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