国家・新自由主義から国家・社会主義へ?2007年08月04日 18時55分42秒

ミネアポリスでの橋崩落事故は、衝撃的でした。ハリケーン・カトリーナ災害と同様に、超大国USAでの人命被害の背景には、技術的な問題でだけではなく、社会的な問題があるように思えます。

報道によると、
「問題橋」すべての補修費用は1880億ドル(約22兆5000億円)と、天文学的数字になるとの試算もあり、橋梁の補修問題は連邦政府にとっても重い課題となる。
米崩落橋 欠陥認識も放置 金属疲労も計算に入れず 8月4日8時0分配信 産経新聞より)

ということなのですが、公共財・社会的共通資本を維持するためには、公的なお金を使わざるを得ないわけで、すべてを民間にまかすわけにはいきません。
あるセクターでは、私的営利よりも社会全体の福祉を優先させなければならないわけですから、その意味での社会主義(社会優先主義)を資源配分・所得分配において、完全に放棄することはできないはずです。

「小泉改革」による新自由主義的な改革の歪みがかなり明確になっていますが、多少流れを反転させる形をとり、ある程度、政府はセイフティ・ネットの重視などの社会主義的施策を導入せざるをないはずです。岸信介的な社会主義の傾向を考えても、安倍氏には一応それへの抵抗感はないはずです。国民新党の主流は、今回の参院選でもそのような社会主義的な主張をしていました。
安倍氏の「美しい国」は、国家新自由主義ではなくて国家社会主義でもよいのかもしれません。とはいえ、経団連の某カメラメーカー会長氏がいうように、「(新自由主義)改革が後退してもらっては困る」のが、市場原理主義のグローバリゼーションの声ですから、所詮それは無理でしょう。

というより、社会のグランドデザインに関して、深く考えたこともなく、ただ戦後民主主義を憎悪するだけという人々が、「お友達内閣」周辺に集まっているように思えてしまいます。

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