お詫びと雑感(このままでは憲法改悪を阻止できない)2007年04月08日 22時01分26秒

 3月末に、私は「絶望的な状況」と書いて、いくつかのブログにトラックバックをおくったのにもかかわらず、一時的にその記事を非公開にしてしまい、大変失礼をいたしました。
 特に、TBをいただいていた Weblog of ЗЧБ(三四郎日記)さんに対しては本当に失礼いたしました。
 <共通に批判している勢力を利するだけだ>等の声を聞き、泥試合はやめようと他のブログでも言われているように、知事選が終わるまでは勝手に「凍結」させていただておりました。(投票が終わり、私にも少し時間的余裕もできたので「解凍」しました)。
 
 さて、現時点で、統一地方選の開票はほとんど進んでいませんが、各メディアは、現職知事の当選を伝えています。

 石原氏を都知事から追い落とすことができれば、日本の政治の流れを変えるのにある程度貢献できたでしょう。
 しかし、またしても「革新政党」も市民運動もヘタをうったということになりそうです。

 ところで、私は「「左翼」だとか「革新」だとかを仕切る人々(一種の権力者、イデオロギー流通業者、つまり党派などの戦略・戦術を決めて、自分たちの正しさを宣伝している人たち)の実態が、いかなる代物なのかが明白になっている」と書きました。また、以前に、ピンぼけの共産党による民主党批判を書いたりしております。
 しかし、私は一度も、(都知事選で)「共産党は、吉田候補 支持をやめ浅野候補を支持せよ」とか「共産党は民主党の政策がどうであれ、野党共闘に加われ」などと主張したことは、ありません。
 <民主党と手を組まない、民主党は自民党と同じだ>という図式を押し通すことによって、自民党を(正確には自民党内の復古主義的勢力と新自由主義勢力を)勝利させることになるという現実の効果を指摘し、共産党指導部の観念的な図式主義の危険性を言っているにすぎません。
 したがって、私の批判の対象は、民主党指導部(といっても民主党は共産党のような上意下達的組織ではありませんが)や市民運動や「リベラル文化人」が、共産党や(保守勢力も)含む幅広い共闘を創り出す努力をしていない点にも当然及んでいます。

 何より哀しいのは、共産党指導部の展望を自ら閉ざすやり方を批判すると、<民主党を支持せよというのか。こんなにに民主党はひどいんだぞ>という答えがかえってくることです。
 いうまでもなく政治は動態です。異なる思想や政策をもっている勢力とある次元では手を結び、力関係を変えて、少しでも政策を実現していくという姿勢がなければ、結局、他の勢力の背景にいる人々の支持を得ることもできず、状況を悪化させるだけです。毛沢東でもレーニンでも、当然に理解していた政治のABCでしょう(彼らの全体主義思想・戦略・戦術に原理的に私は反対ですが)。

 ましてや、現代では、政治目標を実現できない政党や政治勢力は意味をもちません。今回の選挙でも「マニュフェスト」が喧伝されましたが、実現できない政治目標をくり返しているだけでは、現実の力にはならないでしょう。

 何よりも、このままでは、憲法改悪を阻止することはできないでしょう。戦前の軍国主義やナチスを阻止出来なかったことを思い起こすべきです。
 憲法の改悪の阻止をするためには何が必要なのか、主観的願望を抜きに、冷静に考えるべきです。「正しいスローガン」を自己満足的に叫ぶより、むしろすべての要素を計算しましょう。
 どうして政治を良くしようという人々にリアリストが少ないのでしょうか。
 憲法改悪がされ、また、日本の庶民が核戦争の被害(加害)者になっても、同じように<「正しいスローガン」が残念にも理解されなかった。でも、こういう前進の芽があったのだから頑張りましょう>ということになるのでしょうか。

コメント

_ kuroneko ― 2007年04月11日 05時59分14秒

野党共闘に反対したのは民主党の方だという情報があります。

[引用開始]
じつは、昨年末、市民グループ主催の統一候補のための各党シンポジウムみたいな集会に参加しました。民主党、社民党、新社会党(など)のヒトと吉田氏が参加して、どうにかして統一候補をまとめて欲しい、という趣旨の集会だったのです。吉田氏の発言の感じでは、適当な統一候補があれば場合によっては降りてもよい、というようなニュアンスにも聞こえました。ところが、最後に、吉田氏が民主党との共闘を申しいれたのに対して、民主党のヒトが、「共産党とは話し合うつもりもない」ときっぱり断ったので、参加者は大いに絶望させられたのです。
[引用終了]
ソース:
http://www.asyura2.com/07/senkyo31/msg/1070.html

もしこれが本当だとすれば、愛知県知事選と同じパターンということになります。

「革新県政と協議せず 石田陣営、共闘問題で結論」(2006年11月27日の中日新聞)
http://tinyurl.com/3y8y2y

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_ ペガサス・ブログ版 - 2007年04月11日 17時44分02秒


改憲の国民投票法案がいよいよたいへんな事態になっているようだ.最低投票率の規定がないというだけですでに議論に値しないはずだが,今の国会の状況ではこれが通ってしまうかも知れない.くまがいマキさんのメールによると,次のような日程になりそうとのこと.


3月22日(木) 東京での公聴会(終了)
3月28日(水) 地方二箇所での同日・公聴会(午前新潟終了、午後大阪で)
4月 5日(木) 東京での公聴会(未定)
4月 8日(日) 地方選挙(前半)
4月12日(木) 憲法特委、法案強行採決!?(予定)
4月13日(金) 衆院本会議、法案強行採決!?(予定)
4月22日(日) 地方選挙(後半)


大学教員のあいだでは,反対の署名運動が起きている.


 改憲と国民投票法案に反対する大学人アピール
  〜不公正な改憲促進手続法案に抗議する〜
http://homepage2.nifty.com/public-philosophy/Constitution-Appeal.htm


(関連サイト:改憲国民投票法案情報センター)


さっそく署名したが,与党側の勢いを止めるにはよっぽど劇的な反撃が必要だ.あの教育基本法改悪があっさりと,しかも防衛庁昇格法と同日に「ダブルプレー」でやられてしまったが,あの時から状況が好転したわけではない.むしろ一層厳しいかもしれない.従来型の運動の延長では,とてもこの動きは止められないのではないか.与党に不利なよっぽどの事件,つまり「神風」が起これば別だが,もちろんそんなことを当てにするわけにはいかない.(いや,松岡農水相の光熱費問題などすでにいくらでも「神風」は起こっているのに,内閣は未だに安泰という状況なのだ!)


ではどのような,新しい効果的な方策があるのか.とりあえず思いつくことを提案してみたい.



1.メディア対策


メディアはほぼ改憲派に握られている.この状況ではどうにもならない.以前から提案していることだが,デモや集会の後には,メディアに押しかけて,公正な報道を直接要求しなければならない.電話やファクス,投書だけでなく,やはり大勢で直接出向くこと,文字通り「顔の見える」要請行動が重要だ.繰り返すが,たとえ集会で何万人集まっても,テレビが伝えなければ「なかった」ことにされるのである.このことに主催者たちはあまりに無頓着であるように思える.


2.非暴力直接行動


どうやら...

_ 雑談日記(徒然なるままに、。) - 2007年04月24日 18時55分27秒

今日のお勧めエントリー「安倍が改憲を急ぐわけ」「疲弊する米軍 」【田中宇の国際ニ

_ 雑談日記(徒然なるままに、。) - 2007年05月02日 10時37分31秒

 久しぶりに150×70ピクセルの小さいバナーを作りました。  上のバナーの前後