6カ国協議で共同文書作成へ ― 2005年07月29日 23時23分33秒
北京での6カ国協議は、共同文書を作成することに合意したといいます。しかし、おそら北朝鮮の核廃棄への具体的道筋を完全につけるような合意はできないでしょう。
将来の合意の方向に向けた、基本的な原則を確認するということになるのでしょう。
とはいえ、それが無意味というわけではなく、アメリカが北朝鮮を主権国家として認め、攻撃の意思がないことを明言したことに象徴される、<米朝合意への道>は、ジグザグはあっても基本的に進められるという意義が見いだされるのではないでしょうか。
そこで、問題は、日本の立場です。 靖国問題で、東アジアで半孤立の道を歩み、対米も含めて独自のカードを持とうともせず、しかも、郵政国会=政局で求心力を低下させている小泉政権が、まったく役割を果たせないで、この協議は終わってしまうのでしょうか。
拉致問題で原則を主張することは、もちろん必要ですが、実質的な意味で、その解決への見通しをますます困難にする方向に事態が動いてしまっているといえるでしょう。
アメリカが小泉政権の救出を、他の諸利害よりも優先させるという選択の中で、北朝鮮との合意への道に、北朝鮮のメンツと利害の両面で誘導できるようなプッシュをしてくれる、というありそうもない事態によってしか、小泉政権による拉致問題の進展ないと思えてきます。
結局、1)北朝鮮を東アジアの経済関係に引き込むことをテコにしつつ、2)政治的な駆け引きを行い、3)現北朝鮮内の現実主義者たちを育てていき、4)長期的には全体主義体制を解体していく方向でしか、問題の解決はないでしょう。
そのためには、日本の中に指導力のある政権をつくることが不可欠でしょう。効果のない経済制裁のみを呼号することの無意味さを、国民に納得させられる指導力が必要だからです。とりもなおさず、そのような指導力が生まれる社会状況とは、結局、国民とメディアの中で理性的な討論がある程度なされるということを意味します。残念ながら、日本の現状はそれとは遠いところにあります。
いっそのこと、小泉末期政権が対外関係をまったく考慮せず、対北朝鮮経済制裁に踏み切り、日本が完全にカヤの外に置かれて、拉致問題の解決どころか、東アジアの孤児となり、日本経済に悪影響が出るというところまで、その意味を国民が経験してみるということも、必要なのかとも思ったりもします。しかし、それはまさに<国際連盟脱退>のあの時期の、日本の社会心理を再現するだけでしょうか。
かなりの人々の、ヒステリックないさましい空元気を聞いていると、やはりそうなると多くの国民は<戦争だ!>となっていくのかもしれません。
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将来の合意の方向に向けた、基本的な原則を確認するということになるのでしょう。
とはいえ、それが無意味というわけではなく、アメリカが北朝鮮を主権国家として認め、攻撃の意思がないことを明言したことに象徴される、<米朝合意への道>は、ジグザグはあっても基本的に進められるという意義が見いだされるのではないでしょうか。
そこで、問題は、日本の立場です。 靖国問題で、東アジアで半孤立の道を歩み、対米も含めて独自のカードを持とうともせず、しかも、郵政国会=政局で求心力を低下させている小泉政権が、まったく役割を果たせないで、この協議は終わってしまうのでしょうか。
拉致問題で原則を主張することは、もちろん必要ですが、実質的な意味で、その解決への見通しをますます困難にする方向に事態が動いてしまっているといえるでしょう。
アメリカが小泉政権の救出を、他の諸利害よりも優先させるという選択の中で、北朝鮮との合意への道に、北朝鮮のメンツと利害の両面で誘導できるようなプッシュをしてくれる、というありそうもない事態によってしか、小泉政権による拉致問題の進展ないと思えてきます。
結局、1)北朝鮮を東アジアの経済関係に引き込むことをテコにしつつ、2)政治的な駆け引きを行い、3)現北朝鮮内の現実主義者たちを育てていき、4)長期的には全体主義体制を解体していく方向でしか、問題の解決はないでしょう。
そのためには、日本の中に指導力のある政権をつくることが不可欠でしょう。効果のない経済制裁のみを呼号することの無意味さを、国民に納得させられる指導力が必要だからです。とりもなおさず、そのような指導力が生まれる社会状況とは、結局、国民とメディアの中で理性的な討論がある程度なされるということを意味します。残念ながら、日本の現状はそれとは遠いところにあります。
いっそのこと、小泉末期政権が対外関係をまったく考慮せず、対北朝鮮経済制裁に踏み切り、日本が完全にカヤの外に置かれて、拉致問題の解決どころか、東アジアの孤児となり、日本経済に悪影響が出るというところまで、その意味を国民が経験してみるということも、必要なのかとも思ったりもします。しかし、それはまさに<国際連盟脱退>のあの時期の、日本の社会心理を再現するだけでしょうか。
かなりの人々の、ヒステリックないさましい空元気を聞いていると、やはりそうなると多くの国民は<戦争だ!>となっていくのかもしれません。
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