全体主義反対派は多数のはずだから2006年05月16日 23時51分15秒

 現在の日本で、リベラル・デモクラシーや立憲主義を肯定する人は多数でしょう。
 ファシズムや軍国主義やプロレタリア独裁などの全体主義に賛成する人は、少数派でしょう。
 ところが、おかしなことに、リベラル・デモクラシーを破壊する、「共謀罪」導入や教育基本法改悪が、実現されてしまう恐れが、高まっています。

 確かに、反対の声は一時よりは目立ちますが、国会をとりまく世論の関心は高いとはいえません。

 それどころか、実は身近なところで、すでに「精神の自由」をはじめとする自由民主主義的価値が、掘り崩されている事例があります。
 ブログ『とりあえず』で、luxemburgさんが紹介してくれていますが、すでに、この日本という「シロアリ国家」では、<不起立だったという理由で教師を"RE-EDUCATION CAMP"に送り込む国>という恐ろしい状態になっているというのです。

 戦前の人民戦線事件で検挙された大内兵衛が総長をやったこともある「自由と進歩」を誇った法政大学でさえ、法政大学の「茶色の朝」(by『五十嵐仁の転成仁語』)という事態が生じています。

 こういう一つ一つを見逃さず、全体主義(的な動き)を日常の世界からなくしていく努力が大切でしょう。全体主義者たちが、「自由」を圧殺する時に、その圧殺を合理化するために持ち出す<必要性>のインチキさを、きちんと示していきたいものです。

 そのような庶民による努力が展開されずに、いくら<民主主義を守れ>等のスローガンが叫ばれても空回りするだけでしょう。

 スローガンをお題目のように叫んで、実は自分たちの政治勢力の拡大を目標にしている党派に期待しても仕方ありません。そのような党派は、むしろ分解してもらいより大きな新しい流れに合流してもらった方が、現実の政治過程にとっては良いのです。

 そして、その流れをつくるのは、この国の津々浦々で日々展開される、「自由の精神」による努力でしょう。

 当たり前のことなのですが、自分自身への確認として書きました。

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