5年後には教育基本法改正実現を2006年12月15日 22時45分08秒

教育基本法改定案が参議院で可決しました。 まとまりませんが、感想を備忘的に書いておきたいと思います。

3年後には新自由主義・国家主義政権を倒して政権交代を行うこと(都知事選でも石原を落とし、参議院選で自公を過半数割れに、次の衆院選後には自民党を野党に追い込む)、憲法改悪を阻止して5年後には教育基本法改正を実現することをマニュフェストする。そのような政党・政治勢力をつくりだしましょう。

ラジオでもテレビでも、「戦後日本の曲がり角といえるでしょう」「大きな結節点になるかもしれません」などのコメントが聞こえてきました。

メディアの人々もそれくらいのことはわかっているのです。よく、「テレビが国民を洗脳している」、「メディアはジャーナリズムの精神をなくした」ということが言われます。たしかにそうですし、それはひどくなっています。でも、そもそもテレビは「一億総○○化」と大宅壮一が言った頃からそんなに本質は変わっていないと思います。
石原真理子のことを囃していたと思ったら、松坂投手の大リーグ進出フィーバー、小杉元文相の妻が自己破産・・・という具合に、サイクルが早くなっていることは確かですが。
でも、結局、教育基本法改悪の問題点をはっきりさせられなかった私たちの無力にまず目を向けるしか、私たちができることはありません。
私も「国会の周りに沢山人が集まっていることをちゃんと報道せよ」と、マスコミ各社にメールやFAXを送ったりしましたが、しかし、そもそも、数万人・数十万人の人々の行動となっていないという限界があるのです。

それで、ついでに言うと私自身国会周辺に行くことができませんでしたので、FAXやメールを国会議員などにも送ったりしてみました(けっこう紋切り型でなく、相手の議員さんの心に届くことを書こうとするとすごく時間もエネルギーがいりますね)。ところが、今日知ったのですが、「デモや座り込み+院内集会+議員にファックスを送ること等」という記事がありました。関さんという方のブログ(関組長の東京・永田町ロビー活動日記blog版)なのですが、こういう活動をしている方がいることを知り、大変心強くというか、うれしく思いました。これから、力を発揮するのは、この方のように具体的に物事を考えて動かしていくということではないのかと感じます。

それから、民主党のていたらくについては、保坂展人のどこどこ日記にも紹介されています。でも民主党がそういう政党だというのは、新聞でもさんざん書かれていることですけれど・・・。

話しをもとに戻して、これから憲法改悪についても、教育基本法と同じ様な成り行きにしたくありません。そこで、はやり改悪に反対した人々は、よく反省し教訓を得なければならないと思います。
1)結局、教育基本法(これからは例えば憲法)改悪のここがおかしいと、多くの人に思ってもらうように、周りの人に話せるようにしていくことがもっとも重要なことでしょう。
とはいえ、それができるようにするための雰囲気づくりが大切で、それは究極的にはマス・メディアを動かすことがもっとも効果的ですけれど、そこまでもっていく工夫をしなければならないということですね。このことに関わる問題的をブログ「ペガサス・ブログ版」がはやくから提起をされていました(たとえばだれかビデオCM作品を作って下さい  [憲法・教育基本法]

タウン=ミーティング問題というスキャンダルがあっても、メディアを動かすことは簡単ではないので、もっとインターネットや携帯などを使って工夫をしなければならないということですね。インターネットで話題を集めればメディアも紹介せざるを得なくなる可能性は高いと言えるでしょう
そこで、鍵になるのは(特にメディアにとっては)、「新しいもの」を創り出すということではないでしょうか。メディアは当たり前ですが新しく珍しく話題になるものを追い求めています。差異化してしかも内容を伝えられるコンテンツを創る工夫をするということが大切だと思います。

ただ新奇でな形をとっても内容が無ければ意味がありませんが、紋切り型で「またやっているな」「また左翼が何か騒いでいるよ」というメッセージしか伝わらないような集会とか「情宣」活動とかは無力でしかないでしょう。

2)教育基本法の問題では、10代も含めた若者が「こういう問題だったのですか」「真剣に反対している人がいるんですね」と言っていたということを、あちこちで見聞きしました。若い人々は、圧倒的にナショナリズムに自然とかりとられている傾向がありますが、でもそれだけではけっしてありません。
<続く>

コメント

_ メロディ ― 2006年12月16日 11時48分45秒

はじめまして。TBさせて頂きました。
>そもそも、数万人・数十万人の人々の行動となっていないという限界があるのです。
そうです。つまり、ほとんどは無関心という事です。そこを少しでも突き崩すには、メディアへの上手な働きかけが絶対必要です。ただ、私自身は、左翼という言葉がなぜそれほど嫌われるのか理解に苦しみます。過激派は問題外ですが、右翼の暴力には沈黙する政府の意図を感じます。
TBはエントリーの内容がずらずらと並んでしまいましたので、ご迷惑なら削除して下さい。

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_ 逍遥録 -衒学城奇譚- - 2006年12月16日 02時03分22秒

2006年12月15日の今日、教育基本法改正法案が参議院を通過してました。

同時に防衛庁が防衛省への昇格が決定しました。

ボクたちの生きている場所のはるか上を、上っ面だけの言葉が流れていきました。

?

破城槌の音が聞こえてきます。壁がきしむ音が聞こえて

_ あんち・アンチエイジング・メロディ - 2006年12月16日 11時30分38秒

すごい。どこのブログも怒りに満ちている。しかも、誰も諦めていない。私は、今、日本の真の民主主義の夜明けに立ち会っているような気がする。静かなる夜明けだ。

確かに教育基本法は改悪されてしまった。しかし、この間の、運動の盛り上がりはすごかった。インターネットの力も大きいと思う。

冷静になって振り返ってみれば、結局、戦後60年一貫して日本はアメリカの占領下にあったのだと思う。表向きは独立国で、自分たちの代表を選んでいたつもりだったけれど、その選んだ人たちは、自分を選んだ国民を見ていたのではなく、アメリカを見ていたのだ。ただ、グローバリゼーションも進んでいなくて、パイもいっぱいあったから、庶民にも分配され、一億総中流が実現した。それは、奇跡でもなんでもなくて、アメリカの核の傘の下で経済に専心出来たからだ。

だが状況は一変する。グローバリゼーションと新自由主義の台頭だ。しかも日本は、800兆という借金を抱えた。それは、明らかに、自民党と官僚の政策の失敗だ。彼らは自分たちの失敗を国民に押し付けようとしている。銀行は血税で救い、自分たちの利権は温存し、のうのうと生き延びようとしている。それを、日教組や自治労のせいにして国民の目をかく乱して騙そうとしている。

伊丹万作という映画監督がいた。彼が戦後、さんざん戦争で辛酸を舐めた庶民が「国に騙された」というのを聞いて、彼は「こんなことを言うようではまた騙される」、と言ったそうだ。そう、権力者とは常に国民を騙そうとする存在だ、という視点を私たちは忘れないようにしないといけない。実にずる賢いのだ。

ウヨさんたちがよくリベラルを「プロ市民」と呼ぶようだが、市民も本当の意味でプロフェッショナルにならないと、再び権力に騙されることになるだろう。事実たくさんの似非ウヨさんたちが騙されている。

去年の911選挙で、「こりゃなんだ」と思った人は、かなりいたはずだ。私もその一人だったが、様子見、という感じであった。次に変だと思ったのは、ワールドカップのマスコミ報道。まるで客観性にかけ、その右へならえ報道には気味の悪さを覚えた。次は総裁選。勝ち馬にのらないと大変なことになると、自民党議員が一斉に同じ方向に動き出した。この時点で私はたまらず、ブログを開設する。

戦前にも、おかしい、と思っていた人は少なくないと思う。ただ、全体が沈黙するという中で

_ ++つぶやき手帳++ - 2006年12月18日 03時58分13秒

改悪法の参院本会議の採決により、当面の反対闘争としては「敗北」を喫したことになる。当ブログでは徹底抗戦の意を示すため、遅ればせながら(10月29日エントリー)「STOP!教育基本法」のバナーをサイドバー最上部に掲げた。法案が通過してしまった今、このバナーを掲げ続けることは意味がないのであろうか?ここでいったん「敗北」をしてしまい区切りのついたテーマなのだから、こんどは次の闘争課題に向けて差し替えるべきものだろうか?

そうは考えない。
正確に言えば、リンク先の全国連絡会サイトの動向もあるので、バナーそのものを替えることもあるかもしれないが、「教育基本法」をめぐる争闘をあきらめない意志を示し続けようと思う。それは今後、基本法の改悪によって動きはじめる学校教育法その他の下位関連法の改悪を注視し、抗していく闘いの継続でもあるし、なにより教育の根本法については挫折してはならない闘争なのだということを示すためだ。基本法そのものを奪回するたたかいは長い道のりになるだろう。しかし、あきらめてはならない。なぜか?
それは憲法の次に大切な法だからである。精神の自由をかち取り、守る陣地である基本法は、反撃によって取り戻すべき第一の目標だからだ。権力エリートたちの詐術によって奪われてしまったこの基本法のかけがえのなさを、なお関心薄く議論や運動に参入できなかった人々に訴え続ける必要がある。失ってしまった陣地がいかに大切なものであったかを、知らしめる必要がある。この訴えの重要性は、いったんの「敗北」のあとでも、いささかも減じるものではない。ふたたびの勝利のためには、どうしても欠かせぬ道程なのである。長い道のりではあっても未来の議会内多数派をかち取り、新たな基本法を成立させるため、この間の闘争と議論は知らしめられ、拡大されなければならない。

もちろん喫緊の課題としては、「共謀罪」もある。「国民投票法案」もある。だからバナーの位置としては2番目、3番目に移るかもしれない。防衛省法案(自衛隊の海外活動の本来任務化)については、悔しいけれどもついに当ブログでは批判記事を書けずじまいで採択されてしまった。その時々の最重要テーマはあるだろう。しかし「教育基本法改悪反対!」の旗は降ろさない。

為すべきこととしては「次の行動」もあろうが、古い言葉をあえて使うならば「総括」を欠いてはならないと思う。この間の反対運動の盛り上がりを前向きに評価して「これからも頑張ろう」というまとめ方は、元気を維持できるかもしれない。だが運動の質量を客観的に評価しなおす作業を怠っては、同じ敗北をくり返す。「理性の悲観主義、意志の楽観主義」が今こそ必要なのだ。例えばペガサス・ブログ版『転進? ─ 教基法敗北に際して ─ 』での総括のように。反対派政党のあり方(民主党含む)とメディア戦略の反省は私も必要だと思う。・・・後日詳述できれば
今回の教基法改悪・強行採決であきらかになったことは、いかに国会の周りを連日数千人の人々が反対の意思表示をしても、政権与党が(たとえ短期的には反発が大きく、一時的な支持の低下が予想されたとしても)肝心かなめの重要法案の採決に関しては強行策を辞さない、ということである。60年安保のとき、数十万の民衆が国会を包囲しようとも岸内閣は譲らなかった。たとえそれによって内閣自体が倒壊してしまったとしても。決定的に重要な法案に対しては、与党が政権を失いかねないくらいの議席減の危惧を与えて、はじめてその企図を阻止できるのだ。そのためには既存の組織・運動の緊密な結集と、そのうえに新たな運動論が開拓されなければ、到底おぼつかないだろう。量だけではなく質の限界をも超えなければ、私たちは勝つことはできない。
「自由」を奪う法はいったんそれが成立してしまえば、奪った権力側は「合法性」の装いのもとにその後の闘い・抑圧を有利に展開できる。その意味で次に控えた「共謀罪」法案の動向は気を抜けない。表現の自由を奪われること、発言への意志を萎縮させられてしまうことは、戦いの武器を奪われることである。憲法改悪という本丸の闘いでは、権力側ではさらに露骨な力の行使に踏み込むかもしれない。安穏として外堀を埋められてはならないのだ。

警戒せよ。総括せよ。意志と知の力を総動員せよ。


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