衆院選の争点:時間切れか ― 2005年09月05日 22時05分54秒
自民・公明が圧勝とも言われる(ふたを開ければそれほどではないでしょうが)情勢の中で、週末行われたテレビ討論などで、やっと年金問題も争点化してきました。
しかし、「小泉劇場」の残像として残っている、改革者としての小泉(与党)というイメージを覆すまでには至っていないという状況です。「改革を止めるな」というもっともらしいスローガンや、「そうはイカンザキ」というダジャレの効果を、年金についてのやや複雑な政策議論を通して掘り崩すということは難しい面があります。また、年金・財政問題は、民主党と社民・共産党との違いを浮き彫りにして、「何が何だかわからない」ということで議論は時間切れになっています。
年金については誰もが切実な関心をもっているのだから、問題の焦点を浮き彫りにしていく必要があるでしょう。それは、年金問題は自然災害のように起きているわけではなく、社会的・政治的な構造によって深刻化しているのだということを伝えることです。
結局、経済政策については、新自由主義・市場原理主義による「構造改革」か、セイフティーネット・公共性・互助を重視した効率的な市場主義かという(これもわかりにく言い方ですが)、理念対決としての論戦にしていかなければならないのです。「勝ち組政治」(社民党福島党首)では、残念ながら表現が稚拙です。民主党の若手政策担当者には、理念を具体的にプレゼンテーションできる人がいるようにも思いますが、いったいどうなっているのでしょうか。
小泉氏は「一部の特権階級の既得権益より、1億2千万の国民全体の利益を」といっています。http://www.jimin.jp/contents/news/170827a.html
少し政治・経済について知っている人は、保守政治家である彼による、この「特権階級」という語の使い方にぶっとんでしまうでしょう。
やはり、彼は一種の「革命家」なのです。
官僚=高級公務員と現業労働者の違いを無視して「特権階級」ということに疑問をもたない感覚は、常識の欠如だと思います。ですが、かなりの人々やメディアが、このコモンセンスを欠如させている現状を私たちが直視することも大切です。人々の心性が小泉氏を「革命家」にしている、というと極端になってしまうでしょうか。
この心性は、日々の生活の閉塞感と、展望のない社会状況によって生み出されているのだということでしょう。(まさに悪循環)
さて、靖国参拝問題とアジア外交、イラク自衛隊派遣問題などもメディアは言及していますが、まだまだ争点として浮上していません。これは、わかりやすいのだから、もっとメディアは時間を割くべきでしょう。そして、憲法・教育基本法についてまで、議論を進めるべきなのが本来の総選挙でしょうが、そこまでいくのは絶望的です。
来週は、おそらくブラックマンデーを迎えることになるでしょうが、いずれにせよ、この衆院選を通して、考えるべき材料を随分と与えられているように思います。
人気blogランキングへ
しかし、「小泉劇場」の残像として残っている、改革者としての小泉(与党)というイメージを覆すまでには至っていないという状況です。「改革を止めるな」というもっともらしいスローガンや、「そうはイカンザキ」というダジャレの効果を、年金についてのやや複雑な政策議論を通して掘り崩すということは難しい面があります。また、年金・財政問題は、民主党と社民・共産党との違いを浮き彫りにして、「何が何だかわからない」ということで議論は時間切れになっています。
年金については誰もが切実な関心をもっているのだから、問題の焦点を浮き彫りにしていく必要があるでしょう。それは、年金問題は自然災害のように起きているわけではなく、社会的・政治的な構造によって深刻化しているのだということを伝えることです。
結局、経済政策については、新自由主義・市場原理主義による「構造改革」か、セイフティーネット・公共性・互助を重視した効率的な市場主義かという(これもわかりにく言い方ですが)、理念対決としての論戦にしていかなければならないのです。「勝ち組政治」(社民党福島党首)では、残念ながら表現が稚拙です。民主党の若手政策担当者には、理念を具体的にプレゼンテーションできる人がいるようにも思いますが、いったいどうなっているのでしょうか。
小泉氏は「一部の特権階級の既得権益より、1億2千万の国民全体の利益を」といっています。http://www.jimin.jp/contents/news/170827a.html
少し政治・経済について知っている人は、保守政治家である彼による、この「特権階級」という語の使い方にぶっとんでしまうでしょう。
やはり、彼は一種の「革命家」なのです。
官僚=高級公務員と現業労働者の違いを無視して「特権階級」ということに疑問をもたない感覚は、常識の欠如だと思います。ですが、かなりの人々やメディアが、このコモンセンスを欠如させている現状を私たちが直視することも大切です。人々の心性が小泉氏を「革命家」にしている、というと極端になってしまうでしょうか。
この心性は、日々の生活の閉塞感と、展望のない社会状況によって生み出されているのだということでしょう。(まさに悪循環)
さて、靖国参拝問題とアジア外交、イラク自衛隊派遣問題などもメディアは言及していますが、まだまだ争点として浮上していません。これは、わかりやすいのだから、もっとメディアは時間を割くべきでしょう。そして、憲法・教育基本法についてまで、議論を進めるべきなのが本来の総選挙でしょうが、そこまでいくのは絶望的です。
来週は、おそらくブラックマンデーを迎えることになるでしょうが、いずれにせよ、この衆院選を通して、考えるべき材料を随分と与えられているように思います。
人気blogランキングへ
最近のコメント