「日本のブレア」?2005年09月19日 21時50分50秒

 私は、新自由主義と国家主義の方向に日本を導く小泉・自民党を勝利させないために、総選挙では民主党の勝利を願わざるを得なかったのですが、このブログにも書いてきたように、民主党には大いに不満がありました。選挙戦の過程では、理念・政策を具体的でわかりやすく提示できない点が不満でしたし、そのことは実は民主党の理念が曖昧であるからだとも思ってきました。

民主党は、、経済政策においてはネオ・リベラリズムだという批判される側面があります。ですが、旧社会党系とか市民派といわれる潮流が党内にもあり、また国民にも社民的な観点から支持している人々も多いわけです。

しかし、今回の代表選とその後の執行部の人事を見ても、「中堅・若手」などと言われる、改憲派、新自由主義的改革派の傾向が強まっています。

 朝日新聞は「前原氏は「税金の無駄遣いを徹底的に省き、予算配分を思い切って変え、教育や社会保障など人に温かい政策にはしっかり費用をかける社会」を提唱した」から、「日本のブレアをめざせ」と言いましたが、「人に温かい」とか「セーフティネットをはる」という面は前原氏が強調されているとはいえません。

http://www.asahi.com/paper/editorial20050918.html

「税金の無駄遣いを徹底的に省き」という面でも、利権構造にメスを入れ小泉自民党の金持ち優遇と対決するという観点が欠落すると、自民党と対抗する姿勢がクリアーになりません。

その点で、「不幸な人をできるだけ少なくする『最小不幸社会』の実現を、党の基軸にすべきだ」という菅氏のが代表になっていれば、旗幟鮮明になる可能性が高かったでしょう。(最小不幸社会という言い方は?ですが)

 ブレアの「第三の道」は、実際に実現した政策がどうだったかを別にして、発想としては良かったと思います。

 しかし、自民党から政権をもぎとるという意味での「日本のブレア」になるためには、当然ながら、新自由主義と対決していきながら、これまでの旧保守的利権社会の構造を改革していくという、理念・政策体系をわかりやすく示すことが求められているのはないでしょうか。