ドイツ社民と日本の「革新」2005年09月20日 23時25分02秒

ドイツの総選挙結果は日本とかなり違ったものになりました。CDU・CSUと自由民主党を足しても、過半数に届きませんでしたから、自公圧勝の日本とは大きな違いがあります。

とはいえ、「左翼の輝かしい歴史」を体現する社民党が与党だったのであり、日本とは事情がかなり違います。

注目すべきは、新自由主義改革を導入した社民・緑の党連立のシュレーダー政権に対抗する、左派党が躍進したことです。議席数は

CDU・CSU225
社民党SPD222
自民党61
左派党54
緑の党51

とのことですので、社民・左派・緑の党が連立すれば、保守政権を阻止できるはずです。ところが、シュレーダーは連立政権の協議を促す書面を左派党を除く各党に送付したそうです。日本の「自民と民主の大連立」みたいな話です。

 左派党は、民主社会主義党と社民党を離党した左派が今回の選挙前に合流してできました。民主社会主義党の源流は、旧東独の悪名高き社会主義統一党でしたが、その改革派が自己批判してつくられました。社民党左派は、『国境を超える社会民主主義』を書いた社民党元党首のラフォンテーヌが入っている!

その理念・政策については、具体的に読んだことはないのですが、興味があります。

 おそらくシュレーダーの政治家としての実力・見識は、失礼ながら民主党の「43歳新代表」氏など、ものの数ではないでしょうし、むしろ日本の民主党現執行部はアメリカ民主党に親近感をもつでしょう。でも、保守に対抗する勢力の中に新自由主義が浸透する(せざるをえない)共通の傾向と、それへの対抗の仕方に注目したいと思います。

また、日本の「革新」「リベラル」「社会民主主義」の惨状と、ドイツの社民勢力・左派勢力の厚みやダイナミズムとが異なることも注目されます。

自己の陣地を広げることを第一義的にして、対話や議論がほとんどできない閉鎖的な戦後日本の「革新」の体質から、社民党・共産党が脱却してもらいたいものです。というか、市民が下から閉鎖的体質を打ち破っていくしかないでしょう。では、そのためには!?

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