<憲法調査会>特別委員会に格上げ2005年09月16日 00時11分38秒

 実態のない空虚感のみが残る、スカスカな深刻さともいうべき、9.11選挙結果でしたが(たとえば73年チリや01年アメリカのそれらと比べても、質的にまったく違う深刻さ)、仕事をしている時以外は、あれこれ考えてしまい、よくありません。やはりインパクトが大きかったのでしょうね。

 小泉クン、国連に余裕で行けたようだけど、ちゃんと次の仕掛けに怠りないようです。

 でも、すぐにこういうニュースが流れてくるのは、いったいどうなっているのだろう。特に、民主党は機能する執行部自体がないはずなのに。規定方針なのでしょうか。でも、党内が空中分解しそうなテーマで、事を進めて何か得られるものがあるのでしょうか。まったく不明です。

憲法改正へ常任委 自公民 調査会格上げ合意

前原誠司氏(たち)のピントはずれ2005年09月16日 22時14分16秒

 民主党の代表選は <民主代表選>菅、前原両氏の一騎打ちに 小沢氏は不出馬 となってきました。

さてこの前原氏の若さ(って言っても40代ですが)には、別に文句はないけれど、メディア得意の世代論は永田町世界では意味があっても、国民にとっては無意味です。

松下政経塾出身者にありがちなのですが、西原氏も「我々はバランス感覚のある世代」と言ってます。世代で自己規定しそれをアイデンティティにする傾向は私はうさんくさく思ってしまいます。

まあ、世代論はどうでもいいとしましょう。

何より、今回の総選挙後に彼が強調していることは、全然ダメだと思います。

「労組との関係については「意見が違えば、違う行動を取るのは当然だ。そこが、民主党の戦う姿勢が足りかったところだ」」

というのです。

これはまさに小泉氏による、「民主党は労組の既得権益を守るために郵政民営化に反対している」という攻撃は理があったと受容することを意味するわけです。つまり、小泉の「郵政公務員(労働者)は特権階級」という詐術を認めるということになります。

一般論として、労働組合と政党の立場は違い、政党が労組の利害を超えた政策を選択する必要があることは、誰も否定しないでしょう。しかし、この小泉ポピュリスト・デマゴギー・嘘八百・茶番劇場の総選挙の直後に、民主党にその総括が求められている局面での代表選挙で、西原氏がそのことを強調するというのは、どういうことでしょうか。

民主党の「若手」の一人玄葉光一郎選対委員長は、朝日ニュースターの「ニュースの深層」(;9/15)で、同じことを敗因として強調していました。そして、キャスターの葉千栄さんに、「じゃあ民主党は自民党と何が違うんですか」と聞かれて、「体質が違います」と言っていました。「体質だけかよ」と私はそれを見て爆笑してしまいましたが、この民主党「若手」組は、自民党の小泉がやったことこそ本家民主党がやるべきことだった、とでも思っているのでしょう。

そんな認識では100年経っても、小泉(的)自民党に勝てるわけはありません。

 「政官財癒着」に象徴される、利益誘導の保守政治に対決して、透明な政治過程や市場秩序をつくるという、「若手」組も共有する民主党の理念があったはずです。ところが、小泉(的)自民党は、おそらくここ10年以上進んできた新自由主義政党化の最終局面に至った。だから、利益誘導型の古い保守政治を自ら攻撃することで勝利した。であれば、新自由主義の理念とは異なる、透明な市場経済秩序・政治構造の理念を示すしか道はないのです。そうでなければ、「体質の違い」程度の差異を売り込む自民党別働隊か、自民党内の一派閥(政策集団)になるしかないでしょう。

私は、民主党が昔の社会党のように、労組に依存した政党になれというようなアホなことを主張するつもりはまったくありません。また、「大きな政府」を前提とした福祉国家路線も破綻しています。だからと言って、一般公務員と高級官僚を同一視する小泉新自由主義イデオロギーに屈服して、フリーターの若者や、保育・教育・不正規雇用などで生活を背負う女性を振り向かせることなどできるはずないのです。

 <これは、付け足し>:彼は、大東亜侵略戦争を「近代の超克」「世界史的立場」から意義づけた京都学派の高坂正顕の息子、高坂正堯ゼミの出身です。だからイデオロギー的に危険だというような決めつけをすることはよくないでしょう。でも、グローバリズムにおける日本の世界史的ベクトルの選択となる「憲法改定」について、西原氏が「改憲派」といわれていることも、気になります。

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